SSブログ

堅く結ばれた日中の絆――北京人民藝術劇院来日公演が千秋楽を迎えました [ミュージカル 劇]

5日間計5公演にわたる北京人民藝術劇院(※以下、北京人藝)による『ハムレット』来日公演が、6月27日(日)、千秋楽を迎えました。
千秋楽公演のカーテンコールでは、シェイクスピア作品への感動の拍手と、日中合作公演の成功を称える拍手とが入り混じり、歓声が起こるほどの喝采に包まれました。

100627ham01.jpg
北京人藝版 千秋楽カーテンコールの様子

日本と中国の俳優・スタッフが手と手を携えて取り組んだ、この日中合作公演。二ヶ国の文化友好の発展に成果を生み、また俳優・スタッフたちにとっては芝居に対する精神や仕事ぶりを互いに学び合う機会となりました。

公演終了後には四季劇場に隣接する冬稽古場にて、交流パーティが行われ、四季の俳優と北京人藝の俳優が出席。二つの国の俳優たちが会場に拍手で迎え入れられると、互いに堅い握手を結び、抱き合う姿が幾度も見られました。

100627ham02.jpg
握手を交わす、日中の俳優たち
上段左より:ハムレット役ワン バンと田邊真也/オフィーリア役野村玲子とユアン ユー/ガートルード役ゴン リージンと中野今日子
下段左より:ホレイショー役ゾウ ジェンと味方隆司/レイアーティーズ役リュウ フイと青山祐次/ポローニアス役維田修二とジャン ワンクン/亡霊役山口嘉三とワン ガン

壇上には本作の演出家・浅利慶太と照明家・吉井澄雄が上がり、代表して浅利からご挨拶を申し上げました。

「中国と芝居の仕事をするのはもう40年程になるでしょうか。
中国で初めてミュージカルを公演したのは『アンデルセン物語』でした。『ミュージカル李香蘭』は北京と長春・瀋陽・大連で上演し、そして『美女と野獣』を3ヶ月間、北京で公演をしました。
これからも中国との関係は大事にしていきたいと思っています。
そして今回、日本と中国、同じ演出をさせていただいて大変光栄に思っております。このまま両劇団が提携してロンドンに持っていったらどうかな・・・という、夢のまた夢を語らせていただいて、ご挨拶とさせていただきます。謝々(シェイシェイ)」

続いて北京人民藝術劇院を代表し、崔宁 副院長より挨拶をいただきました。
「2008年の『ハムレット』北京公演の初演当時、浅利氏はもちろんのこと俳優・技術スタッフたちによる大きな尽力をいただき、我が劇団でこの名作を創ることができたことを、非常に光栄に思っております。
そして先ほど日中のハムレットやオフィーリアなど、俳優たちが抱き合っている姿は感動的でした。
日本の公演チラシには「競演」という言葉が使われていますが、中国語での解釈ではこの言葉の意味は“勝負”ということになります。しかし今回の公演は勝負ではありません。両者とも勝者です。
イギリスのこの作品を、文化が異なるの二つの国が創った、最高の舞台であったと思います。
そして今回の合作公演は、ただの日中交流にとどまらず、文化交流という点でもっと深い意味を持つことになったと思います。ありがとうございました」

両者の成功にもう一度大きな拍手が送られると、中国大使館の張 愛平 公使から乾杯の挨拶をいただきました。
「中国と日本の文化共演の成功を、心よりお喜び申し上げます。考えてみれば、同じ劇場で二つの国の劇団が同じ作品を上演することは、私が両国の文化交流にかかわってきて初めてのことだったと思います。今後も日本と中国、劇団四季と北京人藝がますます発展していくこと祈願して、
杯を上げたいと思います」

100627ham04.jpg
左から:照明家・吉井澄雄、演出家・浅利慶太/北京人民藝術劇院 崔宁 副院長/中国大使館 張 愛平 公使

その後は四季に所属する中国出身俳優が通訳を担当し、日本と中国の俳優・スタッフ同士が歓談を楽しむ姿が見られました。

100627ham03.jpg


北京人藝版『ハムレット』はこうして幕を閉じましたが、今月30日(水)からは劇団四季による公演が再会されます。北京人民藝術劇院の芝居から刺激を受けた俳優たちが、再び自由劇場の舞台に臨みます。どうぞ、ご期待ください!




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。